ピーリング後のブツブツ…新しいニキビ? それとも“好転反応”?
プロフェッショナルなケミカルピーリング、たとえば VI Peel のようなトリートメントは、よりなめらかで、明るく、クリアで、内側から発光するような肌を目指して設計されています。ですが、その“最高の仕上がり”に到達する前に、肌のパージング(好転反応)といった副反応が出ることがあります。これは、肌の奥にたまっていた皮脂や老廃物が一気に押し上げられ、ニキビのようなポツポツとなって現れてくる現象です。VI Peel ではパージングが起きる確率は低いとされていますが、まったくゼロではなく、起きたとしても多くは短期間で落ち着き、跡を残さないのが一般的です。クローゼットの大掃除のようなものだと思ってください——取りかかる瞬間は気が重いけれど、終わったあとのスッキリ感は格別。そのプロセスこそが、ピーリング後の“いちばんきれいな肌”への前段階になり得るのです。
まず最初に:ピーリング後の パージングをむやみに怖がらないこと
かつては、ピーリング好きにとって「最悪の副作用」として恐れられていた 肌のパージングですが、今では、エビデンスに基づいた正しい情報のおかげで、“自然で正常なプロセス”として理解されるようになってきました。実のところ、これは良いサインでもあります。なぜなら、肌が不純物をできるだけ早く排出しようとしている証拠だからです。では、そもそも 肌のパージングとは何でしょうか?
パージングとは、急速な角質ケアと細胞のターンオーバー促進によって、肌の奥に閉じ込められていた皮脂や老廃物が、短期間のうちに表面へと押し上げられる現象です。グリコール酸などのアルファヒドロキシ酸(AHA)や、サリチル酸などのベータヒドロキシ酸(BHA)を用いたピーリングは、急速な角質剥離(=細胞のスルフ、スラッフィング)を引き起こし、新しい細胞を次々と表面に押し上げます。その“細胞の波”に乗って、これまで皮膚の下にたまっていた皮脂や老廃物も一緒に浮かび上がってくるのです。
こうして表面に現れてくる皮脂や老廃物の急増を パージングと呼びますが、その見え方はさまざまです。小さな透明っぽいポツポツや、ぽつぽつとしたニキビ数個だけで済む人もいれば、ブラックヘッドやホワイトヘッド、膿を含んだニキビ(膿疱)、目立つフレーク(皮むけ)といった形で現れる人もいます。また、自宅用のピーリング剤や、スキンケアの“ゴールドスタンダード”とも言われる処方薬 トレチノイン(tretinoin)(およびその派生成分であるレチノールなど)も、細胞のターンオーバーを加速させるため、同じように パージングを引き起こすことがあります。
パージングはしばしば “ニキビの大爆発(acne purge)” のように呼ばれますが、これは正確とは言えません。見た目こそ“ニキビっぽい”ものの、ニキビ(尋常性ざ瘡)は慢性的な皮膚疾患であるのに対し、ピーリング後のパージングはあくまで一時的な“フェーズ”だからです。
朗報なのは、一度 VI Peel のような ケミカルピーリング後のパージングを乗り越えると、肌は落ち着きを取り戻し、あなたがプロフェッショナルなピーリングに期待していた「なめらかさ」「クリアさ」「ツヤ感」がしっかりと現れてくる、という点です。
では、それはただのニキビ? それとも ピーリング後のパージング?
ピーリング後に出てきたポツっとしたできものが、単なるニキビなのか、それとも パージングなのかを見分けるのは、実は簡単ではありません。しかし、肌の健康状態や、トリートメントへの許容度を判断するうえで、とても大切なポイントです。ここでは、パージングと通常のブレイクアウト(ニキビ)を見分けるヒントをまとめました。
ケミカルピーリング後の パージングには、次のような特徴が見られます:
- ピーリング後、早ければ数日以内に出はじめる。
- あなた本来のターンオーバー周期にもよるが、10〜14日ほど続いたのち自然に治まり、その後は出なくなる(実際は数日で落ち着くことも多い)。
- もともとニキビができやすい“おなじみの場所”に出ることが多い。
- 通常のニキビよりも引きが早い。
- 一般的なニキビよりも、あとに色素沈着やクレーターを残しにくい。
一方で、ケミカルピーリング後の“ブレイクアウト(ニキビ)”には、こんな特徴が考えられます:
- 普段あまりニキビができない場所にも、広範囲に出てくることがある。
- ピーリングから少し時間が経ってから出てきて、治るのにも時間がかかりやすい。
- 肌を守る目的で勧められた、アフターケア用スキンケア製品が肌に合わず、その副反応として出ている場合もある。
- “一時的なフェーズ”というより、同じ状態が繰り返し起こる、あるいは単に「刺激」や「荒れ」のサインであることも。
特に初めて ケミカルピーリングを受ける場合や、これまでと違う反応が出ているときは、担当の皮膚科医やスキンケアの専門家とこまめに連絡を取り合うことがとても大切です。プロの目で、パージングなのか、通常のニキビやトラブルなのかを見極めてもらうことで、最適なケアと回復プランを立てることができます。
何度かピーリングを続けると パージングは減る?
答えは「イエス」です。きちんと組まれたスキンケアルーティンと、継続的なピーリングシリーズを組み合わせることで、肌の状態と、肌の“パージングの仕方”は徐々に整っていきます。とはいえ、肌質も悩みも人それぞれなので、「次のピーリングでは絶対にパージングが起きない」と言い切ることはできません。それでも、プロフェッショナルなピーリングを定期的に取り入れていくことで、肌全体の健康度とクリアさが向上し、最終的にはパージングの頻度や程度が軽くなったり、ほとんど起きなくなったりするケースも多く見られます。VI Peel シリーズでは、2〜3 回目あたりからパージングがマイルドになる方が多い印象です(もちろん個人差はあります)。アクティブなニキビ(嚢胞性ニキビや大人ニキビなど)には VI Peel Purify、ニキビとニキビ跡の両方をまとめてケアしたい場合には VI Peel Purify with Precision Plus のような選択肢もあります。
毎回のピーリングでパージングが起きるのがどうしても不安な場合は、ピーリングプランを始める前に、必ず担当医やメディカルスタッフに相談してみてください。パージングは、長くても 10 日前後で落ち着くとされており(もちろん、ターンオーバーの速さや年齢、肌のコンディションによって変わります)、そのあいだのケアや、ピーリングの間隔をあける・事前にアフターケア製品を導入して慣らすなど、医師ならではのアドバイスをもらえるはずです。
ピーリング後の パージング期間中、肌のためにできることは?
- パージング期のルール No.1:手を顔から遠ざけること。つぶす、押す、いじる、は絶対に NG です。ピーリングは “コントロールされたダメージ(controlled trauma)”をあえて与え、その自己修復プロセスを利用するトリートメントです。つまり、肌はいま一生懸命回復モードに入っている状態。そこにさらに「追い打ちのダメージ」を加えることは、ゴールから遠ざかる行為になってしまいます。肌を触らずそっとしておくことが、結果的に パージングの早期収束につながります。
- ルール No.2 は「とにかく焦らないこと」。たしかに、数日〜1〜2週間ほど、肌が落ち着かない時期を経験するかもしれません。でも、その先に待っているのは、引き締まった毛穴、なめらかな質感、ヘルシーなツヤと透明感。パージング期間よりも、その仕上がりのほうがずっと長く続きます。
- アフターケア用スキンケアや生活上の注意点について、担当医や施術者から示された指示を“一字一句”守るつもりで従いましょう。自己判断でスキンケア製品を変えたり、勝手に追加・中止したりするのは控え、何か気になることがあれば必ず相談してからにしてください。
- パージングが気になるからといって、市販のスポット用ニキビ治療薬を自己判断であれこれ塗るのは避けましょう。多くのスポットケアには、ピーリング期の肌には不要な追加の角質ケア成分が入っていることがあります。本当に不安な場合は、担当医に「使用してもよいスポットケア」や「パージングを軽くするための処置」について相談するのが安全です。
- 肌を必要以上に乾燥させないことも重要です。パージングは、ニキビのようなポツポツだけでなく、乾燥やフレーク(皮むけ)としても現れることがあります。十分な保湿を心がけ、日中は必ず日焼け止めを塗り、必要に応じて UV カットウェアやつば広帽子などで紫外線をしっかり防ぎましょう。
最後にもう一度お伝えしたいのは、肌のパージングは、肌ができるだけ早く不純物を外へ出し、より健やかな状態へ移行しようとしている、ごく自然で安全なプロセスだということです。このフェーズは長く続くべきものではなく、また、正しくケアしていれば跡を残すこともほとんどありません。パージングを「一時的な通過点」と捉え、その先にある肌コンディションの底上げと、長く続く美肌効果に意識を向けてみてください。ハッピー・ピーリング!







