夏のピーリング
私たちの肌は、生物学的に見ても、もっとも暑くて湿度が高い季節から、いちばん寒く乾燥した季節まで、一年中あらゆるコンディションに対応できるようにできています。にもかかわらず、「夏のあいだはケミカルピーリングを避けるべき」という誤解がとてもよく広まっています。その理由として、ピーリング後の正しいアフターケアでは“長時間の日光浴を避けること”が推奨されているから、というのはたしかに理解できます。ただし、適切な紫外線対策と、少しのやさしいケアさえ心がければ、夏にピーリングをすることはまったく問題なく安全で、むしろ肌にとってプラスに働くことさえあります。ここでは、ケミカルピーリングの安全性やありがちな思い込み、そして正しいアフターケアについて、じっくりと解説していきます。
よくある思い込み:「夏はケミカルピーリングをしてはいけない」
「夏にケミカルピーリングはできない」というよくある“定説”は、もともとアフターケアの重要なルールから生まれたものです。それは、“肌が回復している間は長時間の日光浴を避けること”。そして、夏は一般的に日差しが強く、外にいる時間も長くなりがちなため、「夏=ピーリングNG」という誤解が広がってしまいました。しかし、実際には肌にはある程度の刺激を受け止める力が備わっており、ピーリング後の肌にとっても、ほんの少しの日光であれば問題ありません。もちろん、日焼け止めをしっかり塗り、帽子などで日差しをよけるといった基本の紫外線対策をしていることが前提ですが——それは本来、季節を問わず一年中やるべきことでもあります。
本当のところ:夏はむしろピーリングに向いている季節でもある
まずは、ケミカルピーリングが肌に対して何をしているのかをおさらいしましょう。受賞歴もある VI Peel のようなケミカルピーリングは、肌の再生と角質の剥離、いわゆるターンオーバー(細胞の入れ替わり)を促進します。年齢を重ねるごとに、このターンオーバーのスピードは徐々に落ちていきますが、ピーリングはそのスピードを本来のリズムに近づけ、古い角質を押し流して新しくてフレッシュな細胞を表面に押し上げる手助けをしてくれます。ピーリングに含まれる酸は、単に新しい細胞を作り出すだけではなく、“新たなメラニン産生を刺激しないように”設計されています。
一方で、メラニンの産生を促してしまう原因——その結果として新しいシミや色ムラ、さらなる色素沈着につながってしまうもの——は、ピーリングそのものではなく、“アフターケアのミス”です。たとえば、SPF を塗らないまま過ごすことや、長時間直射日光を浴び続けてしまうことなどが、それにあたります。
ピーリングの後に SPF や紫外線対策をどうするか、という視点は、本来、特別なものではなく「いつもの日常」と同じであるべきです。Skin Cancer Foundation(米国皮膚がん財団)は、生後 6 か月を超えたすべての人に対して、シワやシミなどの光老化、日焼け、皮膚がんのリスクから身を守るために、“毎日”日焼け止めを塗ることを推奨しています。つまり、SPF をしっかり塗り、紫外線から肌を守り続けている限り、どの季節にピーリングをしても、その効果が損なわれる心配はほとんどないということです。
では、夏の暑さとピーリングの相性は?
たしかに、ピーリング後の回復期間中は、“強い日差し”と“過度な高温”をできるだけ避けたほうがよい、というのは事実です。ただし、ここでもキーになるのは 「長時間(prolonged)」と「強い/激しい(intense)」 というポイントです。日常生活の中でのちょっとした日光——たとえば、買い物に出る、車を運転する、軽くお散歩をする、など——は、日焼け止めを塗っていればまったく問題ありません。
また、「暑さ」と一口に言っても、実は 2 種類あります。ひとつは、夏の気温上昇のような“外からの環境的な暑さ”。もうひとつは、運動やサウナなど、体の内側から生まれる“内部的な熱”です(多量に汗をかくような状況が代表例)。たしかに、外気温が高いと汗をかきやすくなることもありますが、ピーリング直後の肌にとって避けたいのは、どちらかといえば“内部的な熱による過度な発汗”のほうです。
それでもまだ不安でしょうか? では、こう考えてみてください。もし「気温が高いときにはケミカルピーリングをしてはいけない」が本当なら、カリフォルニアやフロリダのように、一年中暖かくて日差しが強い地域では、そもそもピーリングができないことになります。現実にはそんなことはありませんよね。つまり、何か月も続く“常夏旅行”に出て、毎日のように延々と日差しを浴び続けるのでない限り、夏だからといってピーリング後の肌が特別に不利になる、ということはないのです。
ここが意外なポイント:夏にこそ、ピーリングが「ちょうど良い」場合もある
夏の空気は湿度が高くなりやすく、この“空気中の水分”が、ある種の「天然の保湿剤」として働いてくれることがあります。これは、たとえマイルドなピーリングであっても起こりうる乾燥やヒリつきを和らげる助けになることがあります。もともと乾燥しやすい肌、インナードライ肌、赤み・敏感に傾きがちな肌にとっては、夏のほんのりとした皮脂・汗・湿度が、かえって心地よいコンディションをつくり、ピーリングに向いた“土台”を整えてくれることさえあるのです。
また、「太陽が出ている = UV が出ている」ということも忘れてはいけません。つまり、紫外線ダメージは、季節に関係なく一年中起こり得るということです。ただ、多くの人は、夏になるとシミや色ムラ、くすみが目立ちやすくなると感じています。スキンケアのプロたちは、傷跡に対しても「傷が治りはじめたタイミング」で治療を始めることを推奨しますが、それは“肌がいちばん反応しやすい”からです。これは、シミや色素沈着にも同じことが言えます。ダメージが“出てきたばかり”のタイミングで行う夏のピーリングは、色ムラを早めに食い止め、メラズマ(肝斑)のような状態が肌のより深い層に定着してしまうのを防いでくれます。
ただし、重要な注意点もあります。それは、「夏にピーリングをしても大丈夫」だからと言って、“日焼けした直後の肌”や“今まさにヒリついている日焼け肌”にピーリングをしてよいわけではない、ということです。もしあなたが南国リゾートから帰ってきたばかりだったり、炎天下のビーチで週末を過ごしたばかりだったりするなら、肌の赤みや炎症がしっかり治まるまでは、ピーリングはお休みするのがベストです。自分の肌が「ピーリングしてもいい状態」か分からないときは、必ず担当のドクターや医療従事者に相談してください。
では、結局のところ、ケミカルピーリングに“ベストシーズン”はあるの? という疑問が残るかもしれません。最終的には、あなたと担当医のあいだで決めるべきテーマですが、ひとつだけ確かなことがあります。それは、「この季節だけが正解」というものは存在しない、ということです。スキンケアのメンテナンスは、本来どの季節でも必要な“通年ケア”であり、とくにピーリングについては、最低でも 3 か月に 1 度(年 4 回)をひとつの目安にすることをおすすめしています。
VI Peel には、顔はもちろん、デコルテ、肩、そのほか「日焼けの影響が気になる部位」をトータルにケアできる、さまざまなケミカルピーリングが揃っています。もし今、日焼けによるダメージやメラズマ(肝斑)、色素沈着などで悩んでいるなら、これらの悩みに特化して処方された VI Peel Precision Plus トリートメント を検討してみてください。信頼できる施術者をお探しの場合は、こちらをクリックして、お近くのクリニックやプロバイダーを検索できます。
参考情報:
https://www.skincancer.org/skin-cancer-prevention/sun-protection/sunscreen/







